10年間で最大で400万円も税金が返ってくる住宅ローン、もらえるかもらえないかは大きな問題です。
新しい家に買い替えた場合に、その家の購入費用について住宅ローンを受けることができるのでしょうか?
では実際に新しい家に買い替えた時に住宅ローン控除を受けられるのか?
最初に結論だけ書くとこちらになります。
条件付きではあるが、新しい家でも住宅ローン控除は受けられる
このようになります。
では具体的に控除を受けるための条件など、買い替え時の住宅ローン控除について詳しく書いていきたいと思います。
住宅ローン控除を受けられる条件
先程書いたのですが一定の条件をクリアしていれば住宅ローン控除を受けられます。
具体的には以下のような5つの条件があります。
- 購入から6ヶ月以内に引越し、その年の12月31日まで住んでいること
- 控除を受ける年の年収が3,000万円以下
- 床面積が50㎡以上あり、半分以上が居住用の場所であること
- 10年以上のローンをくんでいること
- 控除を受ける年とその前後2年の5年間の間に、家を売る時に利用できる控除を受けていないこと
※国税庁ホームページより⇒https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/1213.htm
上の4つについては基本的に新築などにはじめて住み始めたときと変わりません。
住替えの時に注意したいのが最後の条件です。
「控除を受ける年とその前後2年の5年間の間に、家を売る時に利用できる控除を受けていないこと」
というのは具体的にどういったことなのでしょうか?
詳しく見てみます。
住宅ローン控除が受けられなくなる場合はどんな時?
具体的な条件としては「古い家を売った時に利益が出て、特別控除を受けた場合」です。
- 3,000万円特別控除
- 10年超所有軽減税率の特例
- 特定居住用財産の買い換え特例
具体的な特例は上記の3つになります。
簡単に特例について見ておきましょう。
3,000万円特別控除
譲渡してでた利益から3,000万円を控除できる制度です。
仮に売った時の利益が5,000万円だった場合を考えます。
本来であれば5,000万円に課税されるところが2,000万円にできるので、譲渡税がかなり節約できます。
単純に仮に5年以上住んでいる場合、5,000万円の場合は20%の1,000万円。
2,000万円であれば400万円で良いので、600万円の節税になります。
10年超所有軽減税率の特例
売った家に10年以上住んでいた場合に使える特例です。
譲渡所得に対する税率を低くすることができる特例になってます。
具体的な軽減税率はこちら。
合計税額 | 内訳 | |
---|---|---|
5年以下 | 39.63% | 所得税:30% 住民税:9% 復興特別所得税:0.63% |
5年超 | 20.315% | 所得税:15.315% 住民税:5% 復興特別所得税:0.315% |
10年超 (6,000万円以下の部分) | 14.21% | 所得税:10.21% 住民税:4% |
10年超 (6,000万円超の部分) | 20.315% | 所得税:15.315% 住民税:5% |
6,000万円分までの利益に対しては5%軽減されるので、最大300万円の控除を受けられます。
特定居住用財産の買い換え特例
新しく購入した家が、売ったお金よりも高い場合に、譲渡税を免除してもらえる制度です。
特例を使うか住宅ローン控除を使うかの判断が必要
上記で3つ紹介した特例を住み替えした家に住み始めた年とその前後2年で使用すると、住宅ローン控除が受けられないようになっています。
3,000万円の控除などは売った時の利益額によってはかなりの節税になります。
しかし、逆に売却益が少ない場合は住宅ローン控除を受けたほうが得になる場合もあります。
なので実際に自分が売った不動産がどれくらいの利益になるのか?
控除を使った場合の税金、控除を使わず住宅ローン控除を使った時の税金を計算してお得になる方を選ぶのがメリットになります。
損失が出ても全額住宅ローン控除を受けられない場合もある
先程の場合は利益が出たときなのですが、反対に大きな損失が出てしまった場合はどうなるか?というと、上記で書いたように反対に10年間フルで住宅ローン控除を受けられない場合が出てきます。
その理由について詳しく見ていきます。
前の家を売って大きく損失が出た時に10年間控除が受けられない理由は?
大きく損失が出た時に住宅ローン控除を10年間ずっと控除を受けられない理由は、大きな損失があると控除する収入ががなくなるからです。
どういうことなのか具体的に見てみます。
仮に年収が1,000円で、5,000万円で購入した家を3,000万円で売った場合を考えます。
損失は2,000万円。
損失額は年収の1,000万円から引くことができます。
(国税庁「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」より)
となると今年度の年収は-1,000万円。
収入がないので、所得税がかからない計算になります。
しかもこの損失額は繰り越して最長で3年間引くことができるので、損失2,000万円は2年間(1,000万円 × 2年)かけて控除できます。
この損失額全ての控除が終わってから、住宅ローン控除が利用できます。
だから大きく損失が出た時点で所得がマイナスになっているので、住宅ローン控除が利用できないというよりも損失分を控除できるために控除する所得がないだけなのです。
住宅ローン控除は最長10年間。
今回の例で見れば、最初の2年間は家の売却の損失額を控除するので、実質は8年間を住宅ローン控除を利用する形になります。
最初に「10年間すべて控除が受けられない」と書きましたが、実際は他の控除で収入がなくなるため、そこまで大きなデメリットではありません。
買い替えの住宅ローン控除 まとめ
上で書いてきた内容を簡単にまとめてみるとこのようになります。
- 前の家を売って利益が出た場合、”特別控除”が”住宅ローン控除”を選ぶ形になる
- “特別控除”が”住宅ローン控除”のどちらが特は売った時の利益額による
- 大きく損失が出た場合、10年間フルで住宅ローン控除を受けられない場合もある
住宅ローン控除を受けられるか、受けられないか?というのは、家をいくらで売れて、利益がでるか、損が出るかによって変わってきます。
住み替えするにも家がいくらで売れるかで違ってくるので、まずはいくらで売れるのか?というのを確認するところから初めましょう!
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